前代未聞の吉本新喜劇とのコラボレーション
Text Yukihisa Takei
ブランド設立20周年を迎えた yoshiokubo(ヨシオクボ) が、2025SSコレクションを発表した。会場となったのは新宿の ルミネthe よしもと で、吉本新喜劇 とのコラボレーションという前代未聞の形式。
大阪出身のデザイナーである 久保嘉男 が念願だったというこのショーは、前半は実際に新喜劇スタイルで進行し、後半になってモデルが登場するという“ファッション”と“お笑い”をハイブリッドした舞台ランウェイ形式。
ショーには間寛平、すっちー もモデルとなり、yoshiokubo のウェアを纏って特別出演した。ショーの最後には久保も舞台に登場し、最後には新喜劇の役者、モデル、久保も揃って全員ズッコケるというオチまでついたユニークな内容となっていた。
コレクションテーマは「守・破・離、自在 」。デザイナー自身の記憶や蓄積された経験を振り返り、その先にある新たな創造を目指したという。アイテムでは切り替え、テクニカルなデザイン、そして大胆なギャザーといった、過去から現在に続くyoshiokuboのクリエイションを随所に取り入れたウェアが披露された。
デザイナーの久保は今回のコラボレーション形式のショーを以下のように語っている。
「大阪弁ではクリエイティブなことや、誰も目にしたことがない、聞いたことがないようなことを『おもろい』と表現する。そして、大阪には、他人と違 うことをすると『君、おもろいな! 吉本の芸人さんになれるで』と褒める文化がある。この言葉は、他と違うことをすることは良いことだ、という気 持ちを育み、他と違うことをしようとする自分への自己肯定感を高めてくれていた。 吉本新喜劇があったから、のびのびと自分の“色”を出すことを恐れずにいられたし、『おもろいこと』をしても良いと感じさせてくれたのは吉本新喜劇で あり吉本の芸人さんの存在があったからだと思い、尊敬している。そして、ファッションデザイナーとして『今まで見たことのないパターンやディテール を追求して、誰も見たことがない服を作りたい』というブランドのアイデンティティにも深く繋がっていると考えている。 そんな吉本新喜劇の劇中に自分のショーが組み込まれ、一体となって観客を楽しませることができ、感無量だ」
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