ヴィンテージ加工のその先へ。KAMIYAが見せた、静かなる"作り込み"
Text by Takeru Yamanaka
KAMIYA(カミヤ)が2026年2月13日、東京・新木場で2026年秋冬コレクションを発表した。シカゴのラッパー、トビ・ルー(Tobi Lou)のライブパフォーマンスとファー襟のMA-1ルックで幕を開けたショーでは、"ACT COOL"というコンセプト通り、長いランウェイでテーラリングやレザー、ファーなどを差し込み、リュクスなムードをKAMIYAらしいアメリカンカジュアルに纏わせた。
キーピースは、神谷康司デザイナーが2000年代に愛用していたというサルエルパンツを、フルレングスで再解釈し進化させたアイテム。トラウザースに仕立て、仕立ての良さがうかがえるテーラードジャケットと合わせるなど、新たなスタイリングを見せた。KAMIYAの特徴であるヴィンテージ加工のカジュアルアイテムのほか、シンプルな美しさが際立つレザーバッグ、襟元にあしらったメタル装飾、フェイクファーのロングコートなども印象的なコレクションだ。
日本から世界へ コミュニティと共鳴して広がるブランドの世界
後日、神谷デザイナーに制作からショーまでを訊いた。「今シーズンは特に自信があった」と胸を張る。7シーズン目で6回目のショーを迎えた今回、神谷は「僕はアメカジがベースと言われますが、そのカジュアルさの中で突き詰める部分や、こだわるポイントについて、自分の視点が以前より変わった」と語る。見た目だけでなく「縫製や配色など細部にもこだわる必要があります」と強調し、「しっかりと作り込んだ」と制作手法の変化も明かした。
カラーパレットについては「今回はいつもより落ち着いた色合いにしました」と説明。ブラウンやカーキなど全体的にトーンをまとめ、ニットのパステルやフェード感、ほつれといった遊びも残しつつ、「改めて『これがKAMIYAです』という気持ちになりました」と手応えを語った。
ラッパーのトビ・ルー(Tobi Lou)は、神谷自身が招へいした。神谷は「インスタでDMしたらすぐ返信があり、トントン拍子で話が進んだ」とし、その理由を「元々彼の音楽が好きだったから」だと説明した。トビ・ルーは今回が初来日で、10日に到着。13日にショーを行い、リハーサルや当日の演出で現場を大いに盛り上げたという。
今後は「自分の軸を持ちながら、いろんなジャンルやアイテムに広げていきたい」と話し、「僕がパリでコレクションを発表するよりも、今回のトビのように海外のプレイヤーを日本に呼んで盛り上げたい」「ゆくゆくはフェスのようなこともやりたい」と展望を語った。



























