kiminori morishita が インスタレーション 80 pieces of history を開催
2026.03.19

暗闇に浮かぶ 森下公則 の軌跡

Text Takeru Yamanaka

長年、日本のファッションシーンで活躍してきた森下公則のkiminori morishita(キミノリ モリシタ)が、楽天ファッションウィーク東京にてインスタレーション「80 pieces of history」を開催した。

会場は、楽天ファッションウィークのメインホールとして使われている「渋谷ヒカリエホール」。森下は同会場を暗転させ、80点の洋服をハンギング。手前ほど古く、奥へ進むほど現在へ近づくように陳列し、自身のクリエーションの軌跡をたどる構成とした。

インスタレーションは、森下の活動を「2003年から2005年の東京時代」「2005年から2009年のパリ時代」「2016年から2019年の再始動」「2025年から2026年現在」という4つのフェーズに分類。それぞれのフェーズを順番に照明で照らしながら、森下自身のナレーションで語るという形式で進行した。

このインスタレーションは、TOKYO FASHION AWARD受賞を受けて行われたもの。「日本を代表するデザイナーを育てる」ために設けられた同賞を、すでにパリ・ファッションウィークでの発表経験がある森下に与えたことは発表時に話題となり、同賞が新たなステージに進んだことを印象づけた。

多くの受賞デザイナーが最新コレクションのショーを同ファッションウィーク内で行うなか、森下は異なる選択をした。「私自身の軌跡を見せることが、私を知ってもらうことだと思ってこのような取り組みをした」。この形式は森下自身のアイディアだという。会場では、ゲストがナレーションを聞きながら、実際に手に取ってアーカイブ作品を確かめることができた。このことについて森下は「ショーは見るだけ。このように手に取ってほしかった」と語った。

これまでの活動で最も印象に残ったことを尋ねると、「色々あるけど、やはりパリで最初にコレクションをやった時の高揚感は忘れられない」と目を輝かせる森下。今後の海外販路開拓への意欲も見せた。

過去を振り返りながら、未来へ向かう──。森下公則の新たな挑戦が始まっている。

80 pieces of history特設サイト
http://kiminorimorishita.jp/projectinstallation